This page looks best with JavaScript enabled

AWS サーバ移行ツールまとめ

 ·   ·  ☕ 4 min read

2019年にお客様から依頼されたAWS移行ツールの調査結果について、社内向けにまとめた内容となります。

パブリッククラウドへの移行は多くの企業にとって課題であることから、2019年のAWS Summit Tokyoでも多数のセッションが発表されました。

今回は「Rehost」と呼ばれるOS・アプリに改修を加えない移行方式を前提として、移行ツールを調査・検証しました

目次


移行対象環境


  • プラットフォーム:VMWare仮想環境
  • 仮想マシン数:数十台程度
  • OS:CentOS5系及び6系 (32ビットと64ビットの両方がある)
  • システム重要度:低 (サービス停止に伴い業務影響は低い)

移行要件


  • 移行単位:仮想マシン単位
  • 移行パターン:OS・アプリに改修を加えずそのまま移行
  • アプリ停止時間:日付単位で柔軟に調整可能
  • 移行先クラウド;運用実績のあるAWS

ツール比較


1.Vmware Cloud on AWS


AWSのベアメタルインスタンス上でVMware仮想マシンが稼働できるHCIサービスです。
仮想マシンをそのままクラウド化することができます。

メリット

ベースがVMware製品群なので、仮想マシンの大体が改修なしで移行可能です。
ライブマイグレーション(OS無停止)移行の場合は仮想マシンバージョン9.0以降で対応しています。
仮想マシンバージョンの更新はゲストOSの再起動が必要となるため注意が必要となります。

デメリット

利用料金が高すぎて覚悟の準備をする必要があります。
最小構成(i3.metal x (3+1)台)のため、年間の最低料金は2800万円となります。
検証はシングルホスト構成が可能ですが、1か月で50万円程度の料金となりますので中々ハードルが高いと思います。

所感

ユースケースはデータセンター内の大規模環境や災害対策等がメインだと思います。
今回の要件は数十台程度の環境なので、コストがあまりにも見合わないことがわかりました。
AWS Summit Tokyo 2019の株式会社ゼンリンデータコム様の動画や資料がかなり参考になりますので、ご興味ある方は是非確認してみてください。

2.VMImport/Export


仮想マシンからエクスポートしたテンプレートよりAMIを作成できるサービスです。
移行環境の準備や作業が簡単なため気軽にPoCすることができます。

メリット

小規模なWeb環境であれば、停止時間を許容すれば最小の時間とコストで仮想マシンを移行できます。
テンプレートのダウンロードやアップロードは、HTTPSさえ許可されていればよいのでネットワーク要件の調整も比較的軽めです。

デメリット

Linux/Unixは64ビットしかサポートしておらず、CentOS6系も6.1-6.6とバージョンの歯抜けが存在します。

所感

移行対象のOSに32ビットやCentOS6.7以降も含まれているので、泣く泣く断念しました。PoCでAWS上で稼働できていることは確認したのですが、AWSサポートに問い合わせたところ「サポート対象外です」と切り捨てられました_(:3 」∠ )_。

3.CloudEndure


AWSが2019年1月に買収したマルチクラウド対応のライブマイグレーションツールです。
移行元の仮想マシンにAgentをインストールし、AWS上のReplication Serverを経由して移行されます。

メリット

仮想マシンへのAgentインストール以外は、CloudEndure専用Webコンソールで設定をポチポチやれば、自動でよしなにやってくれます。
またLinux/Unixの32ビットと64ビット両方ともサポートしており、CentOSは5.4以上がサポート対象となります。
CloudEndureのライセンス使用料は$399/1台だったのですが2019/6/11よりAWSへの移行は無料となりました!!

デメリット

CloudEndureのドキュメントは英語のみですが、Chromeの「日本語に翻訳」でサクッと読めます。
データ移行にTCP1500ポートを開ける必要があるため、ネットワーク担当との調整が必要です。

所感

CloudEndureはAWS Summit 2019でAWSソリューションアーキテクトの方に相談したところ、AWS社内で評判が良いと勧められたツールです。
AWSへの移行に必要なReplication Server等の構築は自動でやってくれるため、簡単に仮想マシンを移行することができます。

まとめ


いかがだったでしょうか。

CloudEndureはAWSに買収前から評判の良い移行ツールだったので、AWSの買収前から使用していた企業も多かったようです。

AWSマネジメントコンソールのEC2ダッシュボードでもCloudEnddureを推しています。

aws-management-console-cloudendure

学習コストもかなり安いため、個人的にはオススメの移行ツールです。

Share on

comments powered by Disqus